７月２１日開催　第４夜

「龍笛」　〜空を駆ける龍の象徴　「横笛」の魅力〜

今回は雅楽の管楽器３つの最後となる、龍笛です。

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龍笛は天の音・笙、大地の音・篳篥この両者をつなぐ空間を自由に駆け巡る龍の声をあらわすといわれています。

合奏においては篳篥とともに旋律を紡ぎだすの役割を受け持ちます。


また、ほとんどの演奏形態において龍笛のソロパート（音頭）から楽曲が始まるため、楽曲全体の速さや流れを決める重要な役目を負っているともいえます。

一般にはあまり知られていないようですが、雅楽において笛吹きはこの龍笛のみならず、高麗笛、そして神楽笛と実は３種の笛を吹き分ける必要があります。

これらは楽曲の出自により使い分けています。


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龍笛（りゅうてき）　→　唐楽（とうがく）（下段）

高麗笛（こまぶえ）　→　高麗楽（こまがく）（中段）

神楽笛（かぐらぶえ）　→　国風歌舞（くにぶりのうたまい）（上段）

これらの笛は太さ、長さ、指孔の数も異なり、また息の入れ方など双方にも若干の違いがあります。


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太さもそれぞれ違います。左から神楽笛、龍笛、高麗笛の順です。

すべて竹製ですが、太さも、竹の厚みもまったく違いますね。



龍笛は鋭く太い音の外側に包み込むような息の音を響かせ、

また、高麗笛は線の細く鋭い音色でひちりきのメロディラインの周りを自由自在に飛び回ります。

これらの笛とは対照的に、神楽笛は暗闇のなかにうっすらと浮かび上がるようなやわらかく、太い静かな音を響かせます。闇に溶け込むような、吸い込まれるような音とも言われます。


これらを吹き分けるには、それぞれの笛を熟知し、吹きこなせる技術が求められ、笛吹きにとっては腕の見せ所です。

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笛の譜面。

楽曲の習得には他の管楽器同様、「唱歌」を歌います。

ひちりきと同じで、カタカナの部分を「ターアーロ」というように歌います。

カタカナの左側に小さく見えるのが「手付け」。指孔の記号で笛独自のものです。

また龍笛の場合、「唱歌」は楽器の奏でるメロディと一部異なるメロディで歌うことがあります。
（ひちりきはほぼ演奏するとおりのメロディで歌います。）

では、なぜ笛の唱歌は自分の楽器のメロディをそのままに歌わないのか。

これは合奏のためなのです。

雅楽はソロ演奏をする音楽ではなく、ほかの楽器との合奏を楽しむ音楽として成立しました。

龍笛が自分以外の旋律を唱歌に取り入れて歌うのはこの合奏のためです。
龍笛が取り入れているのはひちりきの旋律。

このひちりきの旋律を取り入れた唱歌を歌い覚えることで、龍笛の奏者は同時にひちりきの旋律を覚え、そのまま合奏に入ることができるのです。

これも指揮者がいない理由の一つなのですね。IMGP6091[1]

















龍笛を体験されている参加者のみなさん。
最初はなかなか音が出ないことにびっくり、

「頭がクラクラする・・・」とおっしゃていました。
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